飲食店の44.7%が「店内の客足にマイナス」と予想、外食企業の約6割が客数減を懸念。10月7日・9日発表の調査から読む、税率差9ポイントの前に飲食店が今週やる3つのこと【影響度シート付き】

2027年4月から持ち帰りの消費税は1%、店内飲食は10%のまま。10月7日発表の飲食店257件の調査では44.7%が店内の客足にマイナスと予想し、10月9日には外食企業の約6割が客数減を見込むと発表されました。数字の読み方と、飲食店が今週やる3つのことを解説します。
先に結論をお伝えします。10月7日発表の飲食店257件の調査で、2027年4月の税率変更について44.7%が「店内の客足・売上にマイナス」と予想しました。10月9日には日本フードサービス協会も、加盟企業の約6割が客数減を見込むという調査結果を発表しています。
一方で、店内価格は83.7%が「変更しない」予定です。多くの店が様子見をしている今こそ、自店の影響度を数字で測っておく時期です。
こんな悩みはありませんか?
- 持ち帰りが1%になると聞いて、店内のお客様が減らないか心配
- ほかの店が価格をどうするのか分からず、決められない
- 客数が減るなら、広告や販促を先に削るべきか迷っている
この記事で分かること
- 10月に出た2つの調査の数字と、その読み方
- 「影響はみんな同じ」とは言えない理由
- 税率差9ポイントの前に今週やる3つのこと(影響度シート付き)
10月に出た2つの調査:何が分かったか(事実)
制度の中身は9月15日閣議決定の大綱を解説した記事で整理しました。2027年4月1日から2年間、テイクアウト・宅配を含む飲食料品は1%、店内飲食と酒類は10%のままです。今回は、それを受けた飲食店側の数字です。
| 調査(発表日) | 主な数字 |
|---|---|
| シンクロ・フード「飲食店ドットコム」会員257件(10月7日、調査は9月25〜27日) | 店内の客足・売上に「マイナス」44.7%(非常に13.6%・やや31.1%)/「影響はない」27.6%/「わからない」24.1% |
| 同上 | テイクアウト・デリバリー実施店のマイナス予想 50.8%、非実施店 38.6% |
| 同上 | 店内の税込価格を「変更しない」83.7%/値上げ8.2%/値下げ3.9% |
| 同上 | 今後の投資計画「わからない」61.5%。控える店(43件)が削るもの:設備46.5%・出店/改装41.9%・販促/広告34.9% |
| 日本フードサービス協会 加盟企業(10月9日) | 外食企業の約6割が客数減を見込む |
システム面では、52.9%が何らかの負担を挙げ、最も多いのは「2年後に税率を戻すときの手間・コスト」(24.9%)でした。
よくある誤解:「影響はどの店も同じくらい」
ここからは見立てです。テイクアウト実施店と非実施店でマイナス予想が12.2ポイント違うことから分かるように、影響は店の売上の中身で変わります。
お客様が比べるのは「この店の店内」と「この店の持ち帰り」、そして「スーパーやコンビニの弁当」です。つまり、持ち帰りや中食で代わりがききやすい食事ほど影響を受けやすく、宴会・お酒・コース・カウンター体験のように店でしか成り立たない食事は受けにくいと考えています。
Point
税率差の影響は「業界平均」ではなく、自店の売上のうち持ち帰りで代わりがきく部分の大きさで決まります。
影響度・価格の見せ方・販促の3つを今週決める
① 影響度:自店の「置き換わりやすい売上」を数える
なぜ:調査では投資計画を「わからない」とした店が61.5%でした。数字がないまま待つと、2027年3月に慌てて決めることになります。
どうやる:レジや売上表から、店長が30分で次のシートを埋めます。
| 項目 | 自店の数字 |
|---|---|
| A 月の店内売上 | ( )円 |
| B うち、ランチ・単品・定食など「持ち帰りでも代わりがきく」売上 | ( )円 |
| C うち、宴会・コース・お酒中心など「店でしか成り立たない」売上 | ( )円 |
| 置き換わりやすさ=B÷A | ( )% |
B÷Aが高い店ほど、②③を早めに進めます。減る客数を予想する必要はありません。どこを守ればよいかが分かれば十分です。
② 価格の見せ方:据え置きでも「店内は税込いくら」を正しく出す
なぜ:83.7%の店が店内価格を変えない予定ですが、持ち帰りの価格だけが下がると、お客様には「店内は割高」に見えます。ヒロガルの観測では、ChatGPTが飲食店を勧めた理由の68%に価格が入っていました(2026年10月・4回答、まだ仮説の段階)。詳しくはAIの推薦理由の68%に価格が入っていた記事で解説しています。
どうやる:Googleマップのメニュー欄・グルメサイト・店内のメニューで、店内の税込価格をそろえます。持ち帰りをやる店は、店内と持ち帰りの価格を並べて書きます。
例(メニュー・Googleマップ説明文):
店内でお召し上がりの価格は、2027年4月以降も据え置きます(税込表示)。 お持ち帰りは税率1%の価格でご用意しています。
③ 販促:削る前に「無料で続く発信」へ移す
なぜ:投資を控える店の34.9%が販促・広告費の削減を挙げました。ただ、税率差が開くほど、来店前に「店で食べる理由」を伝える必要は高まります。
どうやる:有料の販促を見直す場合も、Googleマップの写真更新(できたて・お酒・席の写真)、週1回の投稿、口コミへの返信は続けます。どれも費用をかけずに店長が週30分で回せます。
この変化が売上のどこに効くか
①の影響度は、守るべき売上を決め、ムダな値下げや販促の削りすぎを防ぎます。②の価格の見せ方は、「店内は割高」という印象を和らげ、常連のお客様のリピートを守ります。③の発信は、税率差があっても店で食べる人を呼び、お酒や宴会を含む店内の客単価を支えます。
リスク・向かない店
ランチの単品が売上の大半を占める店は、②③だけでは差を埋めにくい可能性があります。その場合は持ち帰りを正式に始めるか、セットやドリンクで店内の価値を上げるかを、原価と人手で判断してください。税務の扱いは顧問税理士、レジ対応はレジ会社への確認が必要です。
ヒロガルの見立て:「中食と比べられる店」と「店でしか成り立たない店」に分かれる
私たちの見立てでは、2027年4月以降、飲食店は「弁当・惣菜と比べられる店」と「店で食べる理由がはっきりした店」に分かれていくと見ています。前者は価格で比べられ、後者は体験で選ばれます。
得をするのは、写真・説明・メニュー価格で「店で食べる理由」を来店前に見せられる店です。損をするのは、価格を据え置いたまま何も伝えず、販促も削ってしまう店です。多くの店が様子見の今、数字で影響を測り、無料の発信を続ける店から差がつくと考えています。
ヒロガルは200店舗以上を支援しており、うちミシュランガイド掲載店は10店舗です。
まとめ
- 10月7日発表の調査で、飲食店の44.7%が店内の客足・売上にマイナスと予想
- テイクアウト実施店は50.8%、非実施店は38.6%と、店によって受け止めが違う
- 店内価格は83.7%が据え置き予定。外食企業の約6割が客数減を懸念(10月9日)
- 今週は「影響度シート」で置き換わりやすい売上を数える
- 価格はGoogleマップ・グルメサイト・店内でそろえ、販促は無料の発信に移して続ける
次に読む記事:テイクアウトは1%、店内飲食は10%のまま。2027年4月までに飲食店が決めておく3つのこと/飲食店のGoogle対策をまとめて知りたい方は飲食店のGoogle集客ガイドへ。
参考:
よくあるご質問
ほかの飲食店は、2027年4月以降の店内価格をどうする予定ですか?
10月7日発表のシンクロ・フードの調査(飲食店経営者・運営者257件、2026年9月25〜27日)では、店内飲食の税込価格を「変更しない」が83.7%、「値上げ」が8.2%、「値下げ」が3.9%でした。多くの店は価格を据え置き、様子を見る構えです。
テイクアウトをやっている店のほうが影響は大きいのですか?
同じ調査で、店内の客足・売上に「マイナスの影響がある」と答えた割合は、テイクアウト・デリバリーを実施している店で50.8%、実施していない店で38.6%でした。持ち帰りが店内飲食と比べられやすい店ほど、影響を意識していることがうかがえます。実際の影響は立地や業態で変わるため、自店の売上の内訳で見積もることをおすすめします。
客数が減りそうなら、販促費を先に削るべきですか?
調査では、投資を控える店のうち34.9%が販促・広告費の削減を挙げていました。ただ、税率差が開くほど「店で食べる理由」を来店前に伝える必要は高まると私たちは見ています。削る前に、Googleマップの写真・メニュー価格・口コミ返信など、費用をかけずに続けられる発信へ移すことを検討してください。