外食の回数は96.7%、単価は+68円。10月2日発表の外食総研「8月度外食市場調査」から読む、客単価は上がったのに売上が伸びない飲食店が今週見直す3つのこと【自店の数字シート付き】

ホットペッパーグルメ外食総研が10月2日に発表した8月度の外食市場調査では、外食単価が前年比+68円だった一方、延べ外食回数は96.7%に減り、市場規模は99.0%でした。焼肉は単価+353円でも回数-77万回で横ばい。客単価より来店回数に目を向けるための3つの見直しを整理します。
先に結論をお伝えします。ホットペッパーグルメ外食総研が10月2日に発表した「外食市場調査(2026年8月度)」では、外食単価が前年比+68円と上がった一方、延べ外食回数は前年比96.7%に減り、市場規模は99.0%と前年を下回りました。
値上げで単価は上がっても、来店の「回数」が減ると売上は伸びません。この秋に見直したいのは、価格よりも「次に来る理由」が届いているかです。
こんな悩みはありませんか?
- 値上げをして客単価は上がったのに、月の売上は前年とほとんど変わらない
- 常連のお客様の顔を、最近あまり見ない気がする
- 客数が減った理由が、天気なのか価格なのか分からない
この記事で分かること
- 8月度の外食市場調査で発表された数字(業態別を含む)
- 「単価アップ」と「回数ダウン」が売上のどこに効くか(見立て)
- 自店の数字を確かめるシートと、今週見直す3つのこと
10月2日に発表された8月の外食市場(発表された事実)
この調査は、首都圏・関西圏・東海圏に住む20〜69歳の男女が、1か月間の夕方以降の外食を記録したものです(8月度の本調査の有効回答7,601件)。
| 項目 | 2026年8月 | 前年同月との差 |
|---|---|---|
| 外食市場規模(3圏域計) | 3,161億円 | -31億円(前年比99.0%) |
| 外食実施率 | 69.5% | -1.3pt |
| 外食頻度 | 3.93回/月 | -0.07回 |
| 外食単価 | 2,928円 | +68円 |
| 延べ外食回数 | 前年比96.7% | 2019年比は78.1% |
報告書では、延べ回数の不調について「首都圏・東海圏を中心に前年より雨の日が多かったことが影響している可能性」があるとしています。業態別では、主要16業態のうち6業態で市場規模が前年を上回りました。
| 業態(3圏域計) | 市場規模 | 単価の差 | 延べ回数の差 |
|---|---|---|---|
| 居酒屋 | 554億円(-21億円) | -6円 | -47万回 |
| 焼肉・ステーキ・ハンバーグ等 | 365億円(±0) | +353円 | -77万回 |
| 和食料理店 | 468億円(-14億円) | +44円 | -43万回 |
| ラーメン・そば・うどん等 | 169億円(±0) | +63円 | -66万回 |
| フレンチ・イタリアン | 232億円(+16億円) | +95円 | +23万回 |
| お好み焼き・鉄板焼き等 | 62億円(+7億円) | +340円 | +2万回 |
| バー・バル等 | 81億円(-11億円) | +564円 | -42万回 |
※差はいずれも前年同月比。外食総研の報告書(業態別の表)から抜粋しました。
よくある誤解:「客単価が上がっていれば、店は順調」
焼肉業態は単価が+353円上がりましたが、延べ回数が-77万回減り、市場規模は前年と同じでした。単価の上昇が、回数の減少で打ち消された形です。
一方、フレンチ・イタリアンとお好み焼き・鉄板焼きは、回数も単価も前年を上回った業態です。単価が上がっても、お客様が「行く理由」を持ち続けていれば、売上は伸びることが分かります。
Point
値上げで上がるのは客単価だけ。売上を伸ばすのは「次に来る理由」を渡せているかどうかです。
この変化が売上のどこに効くか(見立て)
飲食店の売上は「客数×客単価」です。調査の数字から見ると、この夏は客単価は上がりやすく、客数(来店回数)は落ちやすい状況だったと考えられます。
とくに影響が出やすいのはリピート(来店間隔)です。月2回来ていたお客様が月1回になるだけで、単価を多少上げても売上は下がります。逆に、来店間隔を少し縮められれば、値上げの効果がそのまま売上に残る可能性があります。ここからは、来店回数を取り戻すために今週見直す3つのことを整理します。
1. 数字:売上を「客数×客単価」に分けて前年と並べる
なぜ
「売上が横ばい」でも、客数が減って単価で補っている店と、両方横ばいの店では、打つ手がまったく違います。
どうやる
レジや予約台帳から、8月・9月の客数(組数)と客単価を出し、前年同月と並べます。下のシートをコピーして使ってください。
【自店の数字シート】
客数(組) 前年 客単価 前年 売上 前年
8月 ___ ___ ___円 ___円 ___ ___
9月 ___ ___ ___円 ___円 ___ ___
雨の日の客数(平均): ___組 / 晴れの日: ___組
常連(月2回以上)の人数: 今___人 / 半年前___人
→ 動いたのは「客数」「客単価」のどちら? ________
例
客数が前年の95%前後で単価が上がっている店は、調査全体と同じ形です。この場合、次の2と3を優先します。
2. 会計:「次に来る理由」を、帰る前に1つ渡す
なぜ
来店回数が減るとき、お客様は店に不満があるとは限りません。「次に行く理由」が思い浮かばないまま、ほかの店や家での食事に流れていくことが多いと考えられます。
どうやる
会計時やお見送りで、次の季節の予定を1つだけ伝えます。口コミのお願いとは分け、見返りや割引と組み合わせないのが安全です。
【会計時のひとこと(例)】
「来月から○○(季節の料理)が始まります。
始まったらGoogleマップのお知らせにも載せますね。」
【忘年会シーズン前(例)】
「12月は週末から埋まりやすいので、
ご予定が決まったら早めにお声がけください。」
同じ内容を、Googleビジネスプロフィールの最新情報(投稿)にも載せます。会計で聞いた話を、お客様が後で検索したときにもう一度見られる状態にしておくのが狙いです。
3. 店名検索:常連が調べたときの情報を「最新」にする
なぜ
久しぶりに行こうとしたお客様は、店名でGoogle検索やGoogleマップを開くことが多いはずです。そこで営業時間が古い、値上げ前の価格のまま、最新の写真が1年前、という状態だと、「やっているのかな」と迷わせてしまいます。
どうやる
- 営業時間・定休日・年末年始の予定を今月中に入れる
- メニューと価格を、値上げ後の金額にそろえる
- 季節の料理と店内の写真を、今月撮ったものに入れ替える
- 予約リンク(電話・予約ページ)が正しいか、スマホで押して確かめる
例
予約の電話が多い店ほど、マップ上の情報で先に答えておくと取りこぼしが減ります。詳しくは予約の電話で仕込みが止まる人気店の、Googleマップの整え方にまとめています。
今週のチェックリスト
- [ ] 8月・9月の客数と客単価を、前年同月と並べた
- [ ] 雨の日と晴れの日の客数を比べた
- [ ] 会計時に伝える「次の季節の予定」を1つ決めた
- [ ] 同じ内容をGoogleビジネスプロフィールの最新情報に載せた
- [ ] 営業時間・年末年始・価格・写真を最新にした
ヒロガルは200店舗以上を支援しており、うちミシュランガイド掲載店は10店舗です。数字の分け方からGoogleマップの整え方まで、店ごとの状況に合わせてご相談をお受けしています。
まとめ
- 8月の外食は単価+68円でも、延べ回数96.7%で市場規模は99.0%(10月2日発表)
- 焼肉は単価+353円でも回数-77万回で横ばい。単価だけでは売上は伸びない
- まず自店の売上を「客数×客単価」に分け、前年と並べる
- 会計で「次に来る理由」を1つ渡し、Googleマップにも同じ内容を載せる
- 常連が店名で調べたときの情報(時間・価格・写真)を最新にする
同じ8月の数字を、日本フードサービス協会の発表から読んだ記事は8月の外食売上は104.9%、居酒屋は100.6%どまりです。飲食店のGoogle対策を順番に知りたい方は飲食店のGoogle集客ガイドからどうぞ。
参考: - 外食市場調査(2026年8月度)|ホットペッパーグルメ外食総研 - 外食市場調査8月 市場規模の前年比99% 2か月ぶりに前年実績割れ|JAcom 農業協同組合新聞
よくあるご質問
この調査は全国の数字ですか?
いいえ。首都圏・関西圏・東海圏に住む20〜69歳の男女を対象に、夕方以降の外食(飲酒のみ・喫茶のみを含む)を記録してもらった調査です。8月度の本調査の有効回答は7,601件でした。地方の店や、ランチ中心の店は、傾向の参考として読んでください。
日本フードサービス協会の8月の数字(売上104.9%)と違うのはなぜですか?
対象が違うためです。日本フードサービス協会の調査は協会会員の外食チェーンの売上をまとめたもので、外食総研の調査は生活者が記録した夕方以降の外食を集計したものです。片方だけで判断せず、自店のレジの数字と並べて見るのがおすすめです。
客数が減っているなら、値下げしたほうがよいですか?
すぐに値下げを決める必要はありません。今回の調査でも単価は上がっており、値上げそのものより「次に来る理由」が届いていないことが客数減の原因になっている場合があります。まず自店の客数と客単価を前年同月と並べ、どちらが動いたかを確かめてから判断してください。