ヘアサロン利用者の51.0%が値上げを経験、73.3%が納得。ホットペッパー最新調査で分かった「来店頻度が減る時代」に美容室が今週やるべき4つのこと

ホットペッパービューティーアカデミーが2026年7〜8月に発表した調査で、ヘアサロン利用者の51.0%が値上げを経験し、そのうち73.3%が納得していることが分かりました。一方で来店頻度は「減った」が上回っています。数字の読み方と、美容室が今週やるべき4つのことを整理します。
「値上げをしたら、お客様の来る間隔が空いてきた気がする」「値上げしたいけれど、離れていくのが怖い」——そう感じている美容室のオーナー様に役立つ調査が、この夏に続けて発表されました。リクルートのホットペッパービューティーアカデミーが7月31日に「美容サロン利用における物価高の影響調査」、8月27日に「【都道府県別】15~49歳女性の美容意識・実態調査2026」を公開しています。
先に結論をお伝えします。お客様は美容をやめてはいませんが、「回数」を減らしています。そして値上げを受け入れて通い続ける理由は、価格よりも「技術」や「自分を分かってくれている安心感」でした。つまり、いまの美容室が守るべきなのは価格ではなく来店の間隔です。この記事では、公表された数字(事実)と、そこから考えられる影響(見立て)を分けて整理し、今週やることを4つにまとめます。
何が分かったのか(調査で公表された事実)
調査の概要
| 項目 | 物価高の影響調査 | 都道府県別 美容意識・実態調査 |
|---|---|---|
| 発表日 | 2026年7月31日 | 2026年8月27日 |
| 対象 | 1年以内に美容サロンを利用した20〜49歳の男女 | 15〜49歳の女性 |
| 規模・方法 | 3,095人/インターネット調査(6月5〜8日) | 都道府県別に集計 |
「頻度は減る・単価は上がる・消費はほぼ維持」
物価高の影響調査では、来店頻度は「減った」が「増えた」を上回り、1回あたりの金額は「増えた」が「減った」を上回りました。差し引きで美容への支出は「維持」が中心という結果です。
一方で、女性が節約している支出の中で「美容サロン・施術代」は26.4%で4番目に挙がっています。金額を抑えようと思った理由のトップは「物価高による生活費の負担が増えたため」(41.0%)で、サロンへの不満ではなく家計を守るための節約であることが読み取れます。
値上げは「業界全体の前提」に
過去1年に利用しているサロンで値上げを経験した人の割合は、次のとおりです。
| サロンの種類 | 値上げを経験 | 値上げに納得(「納得」「やや納得」) |
|---|---|---|
| ネイル | 59.1% | 60.5% |
| リラクゼーション | 57.5% | 67.4% |
| エステ | 53.9% | 61.3% |
| ヘア | 51.0% | 73.3% |
| アイ | 49.4% | 68.1% |
ヘアサロンは値上げの経験率が51.0%と半数を超えていますが、納得している割合は73.3%で最も高いという結果でした。
通い続ける理由は「価格」より「信頼」
値上げを受け入れて通い続ける理由として挙がったのは、「自宅や職場から近い」(37.3%)、「技術や仕上がりに満足(持ちの良さなど)」(34.5%)、「髪質や肌の状態を理解してくれている」(34.3%)、「スタッフの人柄・話しやすさ」(33.2%)でした。「価格への納得感」は20.7%にとどまっています。
また、美容サロンの利用者の6割超がタイパ(時間の使い方の効率)を意識していることも報告されています。
地域差も大きい
都道府県別の調査では、ヘアサロンの利用率は三重県が84.5%で全国1位、1回あたりの平均利用金額は石川県が9,477円で全国1位、平均所要時間は沖縄県が105分で最長でした。同じ「美容室」でも、地域によってお客様の使い方は大きく違います。
Point
お客様が削っているのは「美容」ではなく「回数」です。値上げそのものより、来店の間隔が空いていくことのほうが売上に効いてきます。
美容室にどう影響するか(ここからは見立てです)
新規より「既存のお客様の間隔」が売上を左右する可能性があります
単価が上がっても、たとえば6週間ごとだったお客様が8週間ごとになると、年間の来店回数は約8.7回から6.5回に減ります。単価を1割上げても、間隔が延びれば年間の売上はむしろ減る計算です。新規集客を増やす前に、既存のお客様の来店間隔を確認する意味は大きいと考えられます。
「安さ」で引き戻す施策は効きにくい可能性があります
通い続ける理由の上位が技術・理解・人柄であることを考えると、割引クーポンで来店回数を取り戻す方法は、利益を削るわりに効果が限られる可能性があります。「このお店だから通う理由」を言葉と記録で伝えるほうが、調査結果とは相性がよいと考えられます。
時間の価値が選ばれる理由になります
6割超がタイパを意識していることから、施術時間の目安が分かる、予約がすぐ取れる、仕上がりの持ちが良い、といった「時間を無駄にしない」情報も比較のポイントになっていくと見込まれます。
今週やるべき4つのこと
1. 既存のお客様の「来店間隔」を確認する(30分)
サロンボードの顧客データから、次の2つを出してみてください。
- 前回来店から90日以上来ていないお客様の数(昨年同時期と比べる)
- 主要メニュー(カット・カラー)ごとの平均来店間隔
平均だけでなく「一定期間来ていない人数」で見ると、変化がつかみやすくなります。
2. 帰り際の「次回予約の提案」を全員で揃える
来店頻度を保ついちばん確実な方法は、次の来店日を決めてから帰っていただくことです。スタイリストによって提案の有無がばらつくと、それがそのまま来店間隔の差になります。「カラーの色持ちを考えると○週間後がおすすめです」のように、理由を添えた一言をスタッフ全員で揃えておくと続けやすくなります。初回のお客様を2回目につなげる導線は新規リピート率19%→37%の導線設計も参考にしてください。
3. 「このお店に通う理由」を掲載情報に書く
調査で上位だった「髪質の理解」「仕上がりの持ち」「話しやすさ」は、ホットペッパーやGoogleビジネスプロフィールの紹介文・スタッフ紹介・ブログで伝えられる内容です。
| 通い続ける理由 | 掲載で伝える例 |
|---|---|
| 髪質や状態を理解してくれる | カルテで前回の薬剤・履歴を引き継いでいることを明記 |
| 技術・仕上がりの持ち | 「○週間後の状態」の写真やお客様の声を掲載 |
| スタッフの人柄 | スタッフ紹介に得意なこと・人柄が伝わる一文を追加 |
| 時間の効率 | メニューごとの所要時間の目安を記載 |
4. 値上げを検討するなら「理由」と「時期」を先に伝える
値上げを予定している場合は、店内掲示や来店時の説明で、理由と実施時期を事前にお伝えするのがおすすめです。調査ではヘアサロン利用者の多くが値上げに納得している一方、節約の理由は家計の事情です。突然の価格変更より、心づもりができる伝え方のほうが受け入れられやすいと考えられます。月商の目標と予約数の関係を見直したい場合は目標を「予約数」に翻訳する4つのステップもあわせてご覧ください。
チェックリスト
- [ ] 90日以上来店のないお客様の数を、昨年同時期と比べた
- [ ] 主要メニューごとの平均来店間隔を把握した
- [ ] 次回予約の提案のひと言を、スタッフ全員で揃えた
- [ ] 紹介文・スタッフ紹介に「通い続ける理由」が伝わる内容を入れた
- [ ] メニューごとの所要時間の目安を掲載した
- [ ] 値上げを予定している場合、告知の時期と伝え方を決めた
まとめ
- ホットペッパービューティーアカデミーの調査(2026年7月31日・8月27日発表)で、美容サロンは「頻度は減る・単価は上がる・支出はほぼ維持」という傾向が示されました
- ヘアサロン利用者の51.0%が値上げを経験し、そのうち73.3%が納得しています
- 通い続ける理由は立地・技術・髪質の理解・人柄(33〜37%台)が中心で、価格への納得感は20.7%でした
- 地域差も大きく、ヘアサロンの平均利用金額は石川県が9,477円で全国1位です
- 今週は「来店間隔の確認」「次回予約の提案の統一」「通う理由の掲載」「値上げの事前告知」の4つから始めてください
参考:
よくあるご質問
値上げをすると、お客様は離れてしまいますか?
ホットペッパービューティーアカデミーの調査では、ヘアサロンで値上げを経験した人の73.3%が「納得」「やや納得」と答えています。離れるかどうかは値上げそのものより、技術や信頼への納得感が大きいと考えられます。ただし来店頻度は減る傾向があるため、次回予約の提案など頻度を保つ工夫はあわせて必要です。
お客様の来店頻度が落ちたとき、まず何を見ればいいですか?
サロンボードの顧客データで、既存のお客様の来店間隔が以前よりどれだけ伸びているかを確認するのがおすすめです。平均で見るより、「前回から○日以上来ていないお客様の数」を月ごとに比べると変化がつかみやすくなります。
安いクーポンで来店回数を取り戻すべきですか?
調査では、値上げを受け入れて通い続ける理由として「価格への納得感」(20.7%)より、立地や技術・髪質の理解・スタッフの人柄(33〜37%台)のほうが多く挙がっています。値下げで取り戻すより、通い続ける理由を伝える方向を先に検討するのが現実的です。